神宝の獅子頭の御縁起から代々にわたって獅子神楽舞・寄せ太鼓などが盛んに行われ、この東紀州地方で神楽の故郷と呼ばれている尾鷲神社には、その象徴ともいえる大太鼓が本殿前に納まっている。
この大太鼓は直径が130センチメートル以上もあり、ケヤキのくり抜き太鼓としては日本一の大きさであると伝えられている。
江戸時代の終わり頃、大阪の太鼓屋からこの東紀州にわたり、或る時は熊野、又或る時は東京と様々なところを行きわたり、最終的に尾鷲に納まった。
しかし、長い年月皮も破れ朽ち欠けていたが、氏子有志の方々が直し、平成5年に「鎮めの大太鼓」と命名し尾鷲神社に奉納された。
年の初めの新春太鼓の大祓(1月1日午前11時~)を皮切りに、個人祈祷など(大太鼓特別祈祷)により、氏子を始め全国の崇敬者に大太鼓と共に大神等の神威を仰いで頂いている。